28.絞殺、考察

3/10
前へ
/324ページ
次へ
「何をつかって首を絞めたにしても、凶器は見当たらないね」 「ロープがあるなら、ボクがまず、窓から脱出すべく強度を先に計っておくはずだし、把握しているよ。リュートが買い出したもののリストもよく確認しているからね」 ひめは、少し寂しそうにした。 「ヒトは、どうして、この家から出られないの?」 「さぁね。頑張ってとった成績は他の人が使ったし、努力したことは、他の人が使った。 ボクは何もかも盗られたせいで、身動き出来ない。死ぬだけなんだ。 ボクはまだ普通より少し変な程度だけど、 きっと天才が生まれてはいけないのは、 『このため』なんだ」
/324ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加