28.絞殺、考察

4/10
前へ
/324ページ
次へ
 ひめは、少し、泣きそうになった。 「アルビノや、金髪碧眼などの見た目の人狩り、人身売買はまだ現代にも残っている。 彼らには、牧場の牛みたいに、家畜なんだよ、ボクらは。 牛みたいにあますことなく、奪われて食われてさらわれて壊される運命」 「……ねぇ、ヒト」 ひめは、まっすぐにボクを見つめてそれから言う。 「生活雑貨店みたいなお店って近くにある、かな」 「なんで」 「昔、すんでいた家にも、その前にも、近くにあったから」 ひめがなぜそんな話を始めたのか、ボクにはわからない。
/324ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加