再会

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薫ちゃんに付いて歩く。 JRを乗り換え、江ノ電に乗るみたいだ。 「私が通勤する電車だ。」と言うと、 「そうだな。家から通うんだろ。」 「うーん。毎日通うのに1時間半くらいかかるんだよ。 駅からものすごく歩くし。」とため息が出るけど、 「風間さんのいるお店でパテシエになりたかったの。」と言うと。 「そんなことだろうと思った。 まあ、とりあえず、俺の家に車取りに行くから。」と江ノ電に乗り込んだ。 「薫ちゃん、病院の隣の職員のマンションにいたんじゃなかった?」と聞くと、 「研修医を終えて、3年経ったよ。もう、自分で部屋を借りてもいいだろ。 あそこにいると、やたらと呼び出しかかるし。後輩にその役目を譲るよ。」と笑った。 ガタゴト揺れる4両編成の電車。 平日昼間の空いた車両に並んで座ると、 のんびりとして お腹がいっぱいで、眠くなる。 私はいつの間にか眠ってしまい、 「チビスケ、次で降りるよ。」と声をかけられて目を開けると、 薫ちゃんの胸にもたれて寝ていたみたいだ。 照れ臭くなって窓の外を見ると、 「海!」と思わず声が出る。 「こども。」と薫ちゃんにくすんと笑われてしまう。 江ノ島駅に着いて、サッサと降りる薫ちゃの後を追いかける。 陽射しは暖かく、海風が気持ちいい。
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