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ふと、薫ちゃんが顔を上げ、
「言ったと思うけど…
一緒に暮らすのは女除けの意味もあるから。
しばらく仕事に集中したい。
俺を狙うオンナが最近多くて、困ってたんだよね。
一緒に暮らしてるオンナがいるって事にしておくと、重宝だから、
俺の周りにはそう言っておく。
チビスケ、
見習いのパティシエの間は『恋愛禁止』続行しとけ。」
と勝手なことを言った。
「そんな事、聞いてません!!」
「見習いっていつまで?」と涼しい顔で聞くので、
「…gateau kazma は長くて2年かな。」とおもわず呟くと、
「じゃ、あと2年ね。」と笑った。
「いや!もう、22歳なのに彼氏もいないなんて!」と声を上げると、
「いることにしておけばいいじゃん。」と自分を指差す。
「薫ちゃんにはおねーちゃんがいるでしょ!」と怒ると、
「あのさあ、どうも、お前と話してると話がおかしな方向に向かっているような気がする。
ちゃんと言っておくけど、俺は一回も美冬と付き合ってない。」
と私の顔を見た。
「…嘘。」
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