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「全く最近のガキは生意気で困るな。
大丈夫かチビスケ。」
と薫ちゃんは助手席に私を座らせ、シートベルトを締める。
私は酔っ払っている上に、今の出来事で口がきけない。
「色々バレちまった気がするけど、気にするな。
俺と、チビスケの間は変わらないよ。
まあ、早く大人になって俺を見てほしいけれども…。
もう少し、我慢しとく。」と私の耳に唇をつけてそう囁いた。
耳が熱い。
私はコクコク頷いて、顔を背ける。
「あー、でも、一応確認。
俺のこと好き?」
と私の頬を両手で包んで自分の方に向ける。
薫ちゃんの瞳が真っ直ぐに私を見ている。
嘘はつけない。
「き、嫌いじゃない。」と言うと
「よかった。」と微笑んで、そっと唇をあわせ、
「予約完了。」とゆっくり唇を離した。
目を閉じる間もなかった。
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