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「乾杯。」とグラスをあげて私の初めての合コンは始まった。
5人づつの男女が向かい合って座る。
知らない男の人に目の前で笑いかけられてドキッとする。
カジュアルなスーツ姿の自動車メーカーに勤める人達らしい。
ミサちゃんの隣に座って、とりあえずえ、ニコニコしておく。
「君達って新人さんなんだってね。幾つう?」と前に座った茶髪の人が話しかけてくる。
語尾を伸ばした話し方がチョット気になる。
「22です。」と返事をすると、
「いいねえ。初々しくてえ。」とニッコリする。
…高木さんって名前だったな
「えっと、高木さんって、どんなお仕事してるんですか?」
「エンジニアってヤツかな。」
「…はあ。」とうなずくけど、どんな仕事かわからずに、言葉が続かない。
「車って何乗ってるんですか?」と隣のミサちゃんが話に加わる。
はー、よかった。
ミサちゃんのおかげで、話が弾みはじめた。
私はニコニコして料理を食べ、チョットずつワインを飲んだ。
その間に周りはなんだか親しげになって、賑やかに笑いあっていた。
席を変わったり、お酒を注ぎあったり、
どんどん目の前の男の人が変わって行き、
相手のことはよくわからないままだ。
…合コンって楽しくない。
率直な感想だ。
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