桜と美女

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桜と美女

 夜に浅草2丁目の桜を見に行くと絶世の美人に会えるらしい 「って聞いたことある? 」  金子があくびしいしい言う。 「んーない」  都市伝説や七不思議の類だろうか。でもそういうのってもっと怖い感じなんじゃないのか。桜を見に行って美人に会う。いいじゃないか。噂にするようなことか? 「こないだ先輩が見に行ったんだって」 「いいじゃん」 「興味もてよ」  シラバスを眺めながら気のない返事をしていたら怒られた。俺はこれからの1年間いかに楽をするかを考えるので忙しいんだよ。 「で、会えたの?美人」  ちらと目をやるとさっきのオリエンテーションで配られた資料の1枚を鶴にしようとしていた。なんなんだよ。 「いやーよくわかんなかったって」 「オチないの」 「ない」  んふふ、と笑いながら不格好な鶴を立たせていた。  これが昨日の話。
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