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御厨先輩はアタシの混乱には気付かずに話を進めている。ああ、いけない、ちゃんとお話しないと。
「…は、はい。小田原から。」
「じゃあ、湯河原からは?」
「…ないかな。」
御厨先輩はニッコリ笑った。あ、それ反則です!アタシはなんだか暑くなって、先輩から目を逸らしてしまった。
「じゃあ、決まりだね!椿からの大観山コースで。」
そう言いながら、御厨先輩は吉野先輩の方を振り返った。吉野先輩を見ると、なんかコワイ顔をしている。アタシのせいかな?
「…また?あそこって、ビュンビュン飛ばしてるバイクがいて怖いんだけど。」
あ、ソッチか。…よかった、こんな気持ち、気付かれたら怒られそう。
「まぁ、ミカリンのべスパじゃね。」
「フンだ!…で?いつ行くの?」
そうだよ。早く行きたいな!アタシは張り切ってしまう。
「先輩!来週末とかどうですか?」
先輩達は顔を見合わせた。で、ちょっと無いかなって顔。
「晴海さん、勉強は大丈夫なの?」
ん?なんで勉強?
「そうだよ!ちえり!勉強はどーするの!」
先輩達と話し込むアタシを珍しく大人しく待っていた夏子が急に割り込んできた。
「来週は中間テストだよ。ちなみに今週は小テストの嵐。…ちえりも同じでしょ?」
がーん!…そう言えばすっかり忘れてた。
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