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「ちえり、バイトと部活でろくに勉強してないでしょ。お母さん厳しいから、赤点でも取ろうものならバイク禁止だよね。」
…おっしゃる通りです。ヤバイ、それはヤバイ…。
「ちえり、レースと同じだよ。スタートでコケると後から抜き返すのは大変だよ。」
夏子が畳み掛けるけど、アタシには返すコトバも無い。
「晴海さん?勉強なら俺が見ようか?」
落ち込んでるのを見かねた御厨先輩が助け舟を出してくれた。う…先輩がまたキラキラしてる。あ…その横で何かがメラメラって…。吉野先輩、めっちゃ怖い!
「俺も機械科だし、成績も悪くないよ。放課後、研究会の教室で教えてあげるよ。」
横でくすぶり始めた吉野先輩には気付かずに御厨先輩が続ける。
「ちえり、よかったじゃん。いい先輩達がいて。私も一般教科ならいいけど、専門が違うからね。」
夏子もホッとしたようだ。アタシの背中をバシバシ叩きながら笑いかける。
「さぁ帰ろ?まぁ、この一月は高校生活のスタートとしては上出来だったね。」
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