#0フォーメーションラップ

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 アタシはポケバイを一年生から始めて、ミニバイクには昨年の夏に初めて乗りました。今から向かうサーキットの駐車場でおっかなびっくりしながら。何度も転んだけど、アタシは父さんのバイクが可愛くて、乗りたくて。父さんがラーメン屋さんだから、アタシの夏休み、冬休み、春休みで、お店の定休水曜日にちょっとづつ練習して。最近は随分上手になったと思うよ。ラップタイムも父さんに近づいて来たし。姉さんは中坊の時は一緒に走ってたけど、もうあまり興味無いみたい。今JKだから『れんあい』とか『こいばな』の方に興味があるらしい。でも姉さんのお古のツナギとヘルメットが貰えたから丁度よかった。真っ赤で派手派手だからチョーはずかしーけど。  朝早かったからアタシはいつの間にか眠ってしまったけど。 「ちえり。高速降りるよ!」  父さんが起こしてくれた。随分大きくなった富士山を右に見て高速道路を降りると、富士山の方に登って行く。しばらくすると、いつの間にか道は森の中に入って行き、いつものミニサーキットに到着。アタシは広いと思っているけど、父さんは小さいって言ってる。周りは森林で、バイクが走っていないこの時間は、鳥のさえずりや蝉の鳴き声が響いている。  入り口を入ると、すぐに管理事務所のほったて小屋がある。父さんが降りてお金を払って来た。手にはラップタイムの計測器を持っている。トランポを短いピットロードに面した駐車スペースに止めた。今日の陣地はピットロードの真ん中くらいかな?ピットロードに面した駐車スペースは半分くらい埋まっていた。みんな早起きだなー。  車を降りて準備を始める。トランポのバックドアをはね上げて日除けの代わりに。いつも使ってる工具箱、休憩用の折り畳み椅子などなどを車から運び出す。 「ちえりー。下ろすぞー。」     
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