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再びコントロールラインを通過!第一コーナーがグワーッと近づいて来る!次の周回が始まる…。
「っしゃあっ!もういっちょ!」
次はもっと速いよ!
チェッカーが振られ、30分の走行時間は終了。ピットロードに入って父さんのトランポまで戻ってきた。久しぶりのサーキットで、はしゃぎすぎてしまった。気が付くと汗だくで喉もカラカラ。バイクを降りてスタンドに固定したら、ヘルメットとグローブを脱ぎ捨てて、ツナギの上半身だけインナーになると、倒れるように折り畳み椅子に腰を落とす。
「あっつぅーい…」
クーラーボックスからスポーツドリンクを取り出すと、キャップを取るのももどかしく、ガァーっと一気に流し込む。
「ぷはっ。」
生き返った。冷たいドリンクが熱い身体を冷やしていく。オデコにペットボトルを当てる。いい気持ちだな。目の前のNSRも、キンッキンッと音を立てている。一緒にクールダウンしてるね。
「調子は良さそうだな。」
父さんがNSRのタイヤをチェックしながら声をかける。
「そ?だね。」
「もう、オレより速いんじゃねえ?」
「どーだろ?」
父さんが掲示板に表示されたラップタイムをメモっておいてくれた。確かに良くなってる。まぁ、アタシは父さんより軽いから、その分は有利だな。
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