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「……どうするの!? 本当にログアウトできなくなっちゃった……! ねぇ、ハーメルン、聞いてるの!?」
「……いま運営に問い合わせのメールを送ってみた」
「そんなもの帰ってくるわけが――」
ぴろりん♪とメール着信の音が鳴る。
自分が送った質問文に対しての、返答が返ってきていた。
Q:最後のクエスト、ゲームクリアーとは「KHM???」のボス攻略クエストのことですか?
『A:その通りです。貴方たち550人のうちの誰かが、一ヶ月以内に「KHM???」のクエストを攻略することでゲームクリアーとなります』
こんな一つのクエストのためだけに、こんなことをしているのか?
高すぎる設定値により誰も攻略不可能。どれだけレベルを上げたところで、どれだけ高性能な装備を纏ったところで――数時間費やしたところで勝てないのは、これまでのプレイヤーたちの様子から明らかだった。
「……? ハーメルン……これ見て……」
そう言ってターリアが見せてきたのは、現在の接続状況のリストだった。上部には人数が表示されるようになっており、運営の言う通りならば――……546?
「接続人数が……減っている? ……っ!? まさか――」
嫌な予感がして、再び運営へと問い合わせのメールを送る。すると直ぐに返答が返ってきた。質問を重ねる度に、絶望感的な返事が返ってきていた。
Q:そちらが期限として設けた一ヶ月の間、ゲーム内で死亡した場合、リスポーンは行われるのでしょうか?
『A:行われません。期限が終わるまで、またはゲームがクリアーされるまでは、昏睡状態になっていただきます』
Q:期限以内に誰もクリアーできなかった場合は、どうなりますか?
『A:全員死んでいただきます。期限終了時まで生き残っているプレイヤーも強制的に死亡状態へとなっていただきます。クリアー以外に、貴方たちが生還する方法はありません」
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