第五章 朱火定奇譚 肴

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 マグロでいいと言われても、緊張で力が入ってしまうのだ。それに志摩の指が、中を拡げるように動いていて、動きを止めたくて又、力が込もる。 「八重樫さんの新しい相手は、コレが五十センチもあるのだそうです」  え、コレというのは、ドレだろうか。 「そんな人類があるの?」  思考に集中したせいなのか、痛みを忘れていた。すると志摩の指が、遠慮もなく動き、前立腺を探し当てると刺激を加え始めていた。 「そうなのですよ。でも、伸びるタイプらしくて、普段は大きいなくらいだそうです」  八重樫が言うには、入ったと思ってからが長くて、これでもか、これでもかと上がってくるらしい。 「その長さでピストン運動をされると、全身から脂汗が出てくるうえに、車酔いのような吐き気と、内臓を掻き回される悪寒で死にそうになるそうです」  想像するだけで怖いが、それでも八重樫には義務がある。 「でも、そのまま我慢していると、身体が慣れてきて、今度はもう全身が性感帯の状態で、狂う程に善がるそうです」  それは、八重樫の場合のみで、S字結腸にリンクがある八重樫だからだろう。八重樫はリンクを刺激されると、失神する程に善がるのだ。  俺の気を逸らして埋め込むという志摩の作戦に嵌ってしまい、指を増やされていた。前も別の手で刺激されている上に、志摩が舐めていた。 「守人さん、平気そうですね……」  志摩の他の手が引いてゆき、俺の足が両側に開かれていた。志摩の頭が中央に落ちてゆくと、開かれているそこに舌を添えてきた。 「志摩!ヤメ」  指で開かれて敏感になっていたので、舌の感触が響いて、前に響く。志摩は舌を差し入れて、舐めていた。 「志摩、変態!」 「守人さん!変態は酷いです!」  志摩が怒ってから、笑っていた。 「毎回、守人さんのここ、凄く可愛いですよ。ピンク色で、ヒクヒクしていて、艶々で。蜘蛛の皆さんのお陰ですけどね……赤ン坊みたいです」  自分でも見た事がない場所の説明をしないで欲しい。  志摩は言いながら、自分のモノを当てると、そっとのしかかってきた。 「……う、んんん」  ローションのせいで滑るので、抵抗なく志摩を迎え入れそうな気がしたが、すぐに止まってしまった。 「志摩……志摩のも大きいよ」 「守人さんの、ココが少し小さいのです」  すんなりいかないのは、俺のせいなのであろうか。必死に深呼吸を繰り返していると、志摩が奥へと進んでいた。
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