第五章 朱火定奇譚 肴

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 嫌だと言いつつも、杜氏の身体は感じているようだった。 「凄いよ……ナカ、うねっているよ。本当に初めてか?相当、使い込んでいないか?」 「……イヤ、ウソだ……そんなところに、そんなモノが入るなんて……」  一気に奥まで突き上げられ、次に激しく揺れていた。 「すごくイイヨ。分かるか、吸い付くようにナカが絡んで、締め付けている。サイコーな尻だよ……」  手を握り合い、足を背に回している姿は、慣れているようにも見えた。目が虚ろだが潤んでいて、男を誘っているように見える。 「あ……は、ん……あ……ああん、あん」  善がり声も艶めいていて、唇を噛みしめる仕草は可愛い。パンパンと音が響き、善がり声も響いていた。 「すごい、気持ちいい……ウソみたいだ、これ尻だろ……こんなに、いい尻は初めてだよ……」 「……やめて、もう終わりにして」  泣いて哀願しているが、前が刺激されているのか、杜氏もイキ続けていた。 「あんんん!」  達しても、すぐに次が始まっていた。杜氏も感じまくっていて、男も激しくなってきていた。 「体力の限界だ……」 「次、代わってください」  杜氏の相手は代わり、肉体労働者風の若い男になった。同じく、杜氏を抱いてイキまくると、又次の男になっていた。 「凄い名器ですよね、これ?気持ちいいの何のって……」 「そうだな……こっちの女はダメだけどな……乳は小さいし、尻も小さい」  女性は声も出ずに泣き続けていた。 「……、あ……あん、あんん」  杜氏は幾人もの男を相手にし、しかも、次第に開花していった。そこは男を咥えると蠢き、搾り上げていた。杜氏の頭や心と、別の生き物のように。そこは男を喜ばせる。 「凄い、五分も持たない!柔らかいのに、みっしりと締め付けてくる……みろよ、奥まで咥えても、この余裕……」  パチュ、パチュと甘い音が響く。 「……ひい」  杜氏の妻は、目を閉じたが手を拘束されていて、耳を塞ぐ事ができなかった。そして、妻は泣き続けて、放心した。翌朝、二人は空き家に放置されていた所を、近所の人に発見され救急車で運ばれた。  杜氏の妻は、子供は産んだが、正気には戻らず、首を吊って自殺してしまった。  子供を親に預けて、働いていた杜氏だが、支えていたのは親友だった。  挫けそうになる若い杜氏の脆い精神を支えていて、やがてそれは恋愛になってゆく。
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