第十章 朱火定奇譚 ごちそうさま 二

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「泥人形、暫し、羽柴 小百合になっていろ」  俺が泥人形に命令すると、泥人形にナイフを突き刺した跡が次々に出来ていった。 「ほら、呪いでしょう……」  俺は、呪いとか幽霊も信じてはいないのだが、壱樹村には×がいるので、特殊能力という のは信じている。 「それで、上月。どうするの?」  小さいが生きていた泥人形の、心臓に穴が開き止まっていた。 「この呪いの主に、目的が達成したと思わせる」  泥人形に、身代わりで死んで貰ったので、小百合の心臓を動かしておく。 「電撃、上手くなったね……」  俺は泥人形を手に取ると、窓の外に投げた。
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