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登校班の集合場所は、りんの家から二百メートルほど先の公民館だ。
が、りんの家が通学路添いにあるため、自宅前の合流でゆるされている。
「りんちゃん、チ~ビ!チビりん!チビりん!」
歩き出してしばらくすると、りんのすぐ前にいた三年生のシュウが、りんの事をからかってきた。
二つ下のシュウの方が、確かにりんよりも背が高い。ほんの少しだけれど。
小柄なりんは、低学年の頃は「ちっちゃくてかわいい!」と上の学年の子どもたちにかわいがられる事もあった。
ところが、だんだん進級していくにつれ下の学年の子どもたちに「チビ!」とからかわれる事も増えた。
シュウのこれは、ほぼ毎日の事だった。
「ちゃんと並んで!前を見て!」
りんの周囲を、クルクルと回りながらからかってくるシュウは、面倒だが危ない。何度も注意をするのだが、全く効果はない。
「シュウ!ちゃんと列に並んで!」
「は~い」
先頭を歩いている叶多が、振り向いて後ろ歩きをしながらシュウを注意した。
叶多の注意には、ちゃんと従うシュウ。
こんな時、りんは何とも言えない気持ちになる。
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