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久しぶりに晴れていた二月のとある日。
その日は叶多の通っていた保育園で、新入園児に対する体験入園も兼ねた入園説明会があった。
りんたちの住む田舎では、保育園も幼稚園もたくさんはない。
地域の公立の園に通う子が、ほとんどである。ただ充分にあるので、『待機児童』なんて言葉とは縁がない。
なので地域の保育園に通えば、自然と中学校卒業までずっと、一緒の学校に通い続ける事になる。
りんが初めて保育園に行った日、当然りんは固まった。
そのクラスにいた保育士に、たまたま近くにいた叶多がご近所さんだと知らされたりんの母は、叶多に笑顔で声をかけた。
「四月から保育園に入る、南 りんていいます。お家も近いみたいだし、りんと仲良くしてあげてね!」
「はいっ!」
りんの母に元気よく返事をした後、叶多はりんを見た。
「りんちゃん、あそぼっ!」
叶多はりんに、勢いよく抱きついた。……つもりだった、叶多本人は。
その当時から、りんと叶多には明らかな体格差があった。
出生体重は普通だが、それから平均よりも小さめに成長していたりん。
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