私の好きなもの

7/19
前へ
/19ページ
次へ
三八〇〇グラムで生まれ、それからもすくすくと大きめに成長していた叶多。 叶多を受けとめられるはずもないりんは、そのまま後ろにひっくり返った。 幸い、りんの後ろにいた保育士が支えてくれたので、大事にはいたらなかった。 りんは大泣きし、叶多は目をぱちくりさせた。 「もう、叶多くんたら、りんをいきなり押し倒すんだもん!」 りんの母は、その事で今だにりんと叶多をからかってくる。 私は、被害者なのに!と思うりんだが、恥ずかしくなってしまうのだから仕方ない。 結局、それから何度も、りんは叶多に押し倒される事になる。 二人で床に倒れこみ、りんはプリプリと怒り、叶多はニコニコしながら謝る。 叶多のニコニコ笑顔に弱いりんは、すぐに許してしまうのだけれど。 あの頃の叶多は、本当にかわいかった!色白でムチムチしていて、どこを触っても柔らかかった。 ほっぺをムニムニしたり、ギュッ!と抱きついたり。りんは叶多を受けとめられないが、叶多はりんを余裕で受けとめてくれた。 本当に、かわいかった!……
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加