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……いつから叶多は、変わってしまったのだろう……
ムチムチと柔らかかった叶多の手足が、細く長いものへと変わっていった。
触ると気持ちのよかったほっぺは、シュッと細い三角の顎につながるだけのものになってしまった。
みんなから「かわいい!元気!」と愛されていた叶多。それがいつしか「カッコいい!」と女の子からハート型の瞳を向けられるようになっていた。
……私が好きなのは、コロコロと丸くてかわいかった叶多だもん!
小学校に入ってから「叶多くんと、仲いいよね」と、周りの女子たちに何度も言われた。
そのたびに「幼なじみだから」と答えた。
「付き合ってるの?」なんて訊いてくる、ませた女の子もいた。
「私の理想の彼氏は、体重百キロオーバーです!」
そこまで言うと、相手は納得してくれる。りんが相撲好きだと知っていると、尚更だ。
「だよね~!りんちゃん、デブ専だもんね」
「なっ!?デブじゃないから!鍛えぬかれたぽっちゃりだから!」
……デブじゃないし、今の叶多は違うもんっ!
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