62人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
響の通っている学部では、3年の後期からゼミに参加し研究の手伝いを初め、4年になると自分で卒業研究を始めるようになる。
今日から4年になる響は、ゼミのミーティングがあるということでゼミの研究室に向かっていた。
「ひびきーー!」
「あ、ひろ。」
後からの声に振り向くと幼馴染の紘が後から走ってきていた。
「ひびき、今日はバイト?遅くなる?」
「うん。バイトだから先食べてていいよ。」
「りょーかーい!じゃ、ゼミとバイト頑張って!」
「うん。ひろも部活頑張れよ。」
「おう!」
紘はスポーツ推薦で入学しており、スポーツ学科の学生だ。
身長が高く、幼い頃からバスケをしていた紘は才能があったようで何度も全国大会に出場したり、全日本ユースに選ばれたりしていた。
高校卒業後プロの誘いがあったにも関わらず大学まで出ると言って聞かず、大学卒業後にはプロ入りを期待されているような選手だ。
それが、響を心配しての事だったと知らないのは響だけである。
最初のコメントを投稿しよう!