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道なりに自転車で進み溶接場の隣にある精肉店を左折すると、直進して数分後にはミユキの家に着く。目の前の古民家に自転車を停めると、ミユキたちはふすまを開けて中に入った。彼女の祖母が迎えに来た。
「おやミユキ、帰ってきたのかい?」
肩掛け鞄を玄関に下ろしミユキは一息をつく。
「うん。ただいま、おばあちゃん」
祖母は微笑みながら、自分達の部屋に向かうミユキ達の方へ振り返った。
「晩御飯が出来上がっているから、用が済んだらおいで」
ミユキもそれに対してにこやかな表情を見せていた。
「分かった」
イルビスも後に続いていたが、少し慌て気味の様子を見せる祖母から引き止められた。
「そうそう、イルビス。じいさんからあんたに用があるみたいだよ」
意外そうに立ち止まるイルビス。
「俺に?」
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