プロローグ

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 地球のとある高等学校では公民の授業が行われていた。現代社会における人口の減少とそれの対策、そして第二次世界事変についてである。 「……そういうわけで、この第二次世界事変では、二人の少年少女が地球上の知的生命体の総量が限界を超えるのを回避することにより、世界は救われ、人間と人間以外の生命体が共生できることが示されたのです。また、その過程は男女が若いうちから愛し合って子作りができることの証明にもなったのです。彼らは数々の試練を乗り越え、見事大人へと成長し、お互いの愛を確かめ合ったのですから。一方、わが世界の人口は年々減少傾向にあり、早急な子作りが求められています。ですから! 皆さんも! さっさと子作りをして! この世界に貢献しましょう!」  教師の熱弁が奮われ、周囲が盛り上がる中、一人の男子生徒が硬直していた。 ―子作りだって? 大人への成長? 僕たちまだ15、6歳なのに? まだ遊びたいし、勉強だってしなくちゃいけないじゃないか―  周りより少しだけ小柄な男子生徒の体は次第に震えだし、呼吸も過剰になっていた。それに気づいたのか教師が男子生徒に近づき、行動を指摘した。 「どうした? 具合悪そうだな」  男子生徒は過呼吸をしながら答えた。 「先生、僕たちはまだ高校生ですよ! どうしてそんな早くから子供を作らなくちゃいけないんですか!」  それに対してあきれたように教師が返す。 「何言ってんだ、この年にもなってまだ子供でいるつもりか。いいか、15になったらもう大人なんだぞ?およそ1万年前では15といえば大人扱いされていたからな」  男子生徒が震えながら答える。 「でも、今はその昔と違うじゃないですか!」  それに対して教師はばつが悪そうな顔をする。 「だから言っただろ、今は人口が減っていると! それに歯止めをかけるのがお前たち前途有望な若人なんだよ。頼んだぞ!」  教師の答えに対して男子生徒は思惑を張り巡らせた。
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