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そんな光景の中でチルアウトな妄想にどっぷり浸かっていると、この景色に極めて場違いな、頭の先から足の裏まで黒ずくめの、まるでジェノサイドを執行する秘密警察の様なその姿が視界に入ってきた。そいつは1mもあろうかという銀色の板を引き摺ってくると、それをこちらに向けた。今度は長身で、深紫色した長髪の、スリットの入ったスカートと胸元の大きく開いたドレスを着た美しい(?)妙齢の貴婦人が視界に飛び込んできた。 「似合ってるじゃない、ランシード!」 鏡をこちらに向けたレワはそう言いつつも笑いを堪えきれずにクククと声をこぼしている。 「お前も地獄の獄卒の様な姿だぞレワ。第一、これはお前が計画した事じゃないか」 わざと不貞腐れた口調で返答する。
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