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「いやー、それにしても長かった。魔法の力比べで負けちゃってさ。負けると呪われちゃうんだよ」
テヘっと笑ってるけど、本人曰く百年も犬の格好だったらしいから笑えない。
「で、そいつが『犬のお前に名を与え、暖かな関係を築ける相手が見つかったなら、その呪いは解けるだろう』なんて言ってさぁ」
言っておくけど、彼は全裸のままお風呂を堪能してる状態で、あたしは後ろを振り向くことが出来ない。
「見てもいいのに。犬のときもずっと全裸見てたでしょ?」
犬と人とは違うのです。
「でね? そんな呪い、簡単に解けると思ったのにさ……。あ、因みに僕に名前をくれたのはミカで5人目ね?」
なら、なんで今まで呪いは解けてないんだろう?
「うん、暖かな関係、だよね。でもそれが何か分かんなくてさ、諦めてたらミカが名前くれて……」
「ひゃあ!」
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