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後ろから抱きつかれて、思わず叫んでしまった。
「だから、ミカにかけたんだ。優しいミカ、君ならこの呪いを解いてくれるって」
そんな力、あたしにはありません! ブンブン頭を振るけど、エルはあたしを離さない。
「暖かいシャワーにこの呪いが解けるかも? って思ったけど解けなくて、ならお風呂だと思ったのにやっぱり駄目で……」
……ん?
「君だったんだよ! ミカ! 君と一緒って関係が必要だったんだ! あぁ、ミカ、君は僕の天使だ!」
『暖かな関係』って、一緒にお風呂に入ること……?
「さあミカ、君は僕の恩人だ。僕にしてほしいことある? 僕はミカのためならなんだってやるよ。ずっとミカと一緒にいるからね?」
「……うそ?」
呆然とするあたしの前で、エルは犬のときのエルと同じ笑顔であたしを見てた。
勿論、全裸で。
「──かっ、帰って!」
「それは嫌」
【おわり】
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