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泡をシャワーで流してしまったら、お風呂セットを備え付けてある棚に置いて、まずは内湯から入る。
少し温めのお湯がゆっくりと体の芯まで温めてくれる感じがして、自然と「ほぉう」と声が出てしまう。
タオルは頭の上に置いて、ここで鼻歌なんかを歌ったら最高なんだけど、他の人からの視線が刺さるのは確実だから我慢、我慢。
しっかり温もったら次は露天の壺湯に入って、天気もいいからお月さまとお星さまでも眺めよう。
5月、初夏と言えども夜はまだ少し冷える。
露天風呂へと続く扉を開けて、トットットッと、檜のお風呂を通りすぎて階段を上り、壺湯へと直行した。
入るとザブーンと壺からお湯が溢れ出て、一人湯で何とも贅沢な気分。
壺の縁にタオルを敷いて頭を置き、上を向くと満天の星が広がっていた。
星座なんてオリオン座やカシオペア座、北斗七星くらいしか知らないけど、無数の星たちの煌めきを見ていると、私の失敗なんてほんの一瞬の小さくてちっぽけなものだなって思えてきて、明日からもまた頑張っていこうと思った。
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