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階段を降りると、受付のところで中田さんと川嶋が何やら話していたので、川嶋もココの常連客か……と思いつつ、そのまま通り過ぎようとした。
「映見ちゃん、ありがとうございましたぁ。」
中田さんが私に気付いて声を掛けてくれた。
「中田さん、またね。」
「あれ、二人名前知るほどの仲?」
川嶋が中田さんと私を交互に指さす。
「映見ちゃんはココの常連さんよ。あら、蒼央とも知り合い?」
「「会社の同僚!」」
川嶋と私の言葉が重なった。
中田さんは川嶋のことを『蒼央』って呼び捨てにしてたけど、どういう関係なんだろう。
おそらくハテナな顔をしていたであろう私に、「俺の叔母」と中田さんを指さして川嶋が教えてくれた。
世間とはなんて狭いんだろう。
「映見ちゃん、蒼央と同じ職場だったのぉ。蒼央がお世話になってるわね。」
「何言ってんだよ、俺がお世話してんの。」
一瞬ムッとした顔をして川嶋を睨んだあと「いえいえ、こちらこそ~」と、中田さんににっこりと返した。
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