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antique 1
ホテルの部屋に一人でいた。
しつこく誘うミズキをかわして、温泉に入ってきたところだった。
マリは暗くなったスマホの画面を見つめて。
大きな大きなため息を吐き出した。
何、今の電話…。
あり得ないんだけど。
もう十二時だよ?今から来るわけ?
仕事の話なんて明日でいいでしょう?
だいたい、今日は休みだし!
マリはベッドから起き上がり、とりあえず浴衣の前を直した。
温泉入って温まったし、もう寝ようと思ったのに。
すっぴんだけど…まあ、いいか。
桔平さん…苦手なんだよなぁ。
ちょこっと話すだけだよね?
仕事だって言うし、仕方ないか…。
なんでルリコも電話してくるかなぁ。
酔ってるから仕方ないかもしれないけどさ、こんな時間にさ。
ブツブツと文句を言っていると、部屋のチャイムが鳴った。
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