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「革命軍に引き渡すのと、生まれ育ったこの国で今直ぐ処刑されるのとどちらが良い?」
玉座から見下ろすミュジィーの質問に、
「へぇー、この国の王様は随分と慈悲深いね。そして、思慮が足りない」
後ろ手に縛られて跪かされているノトが、ヘラヘラとした笑みを浮かべて言う。
「何!?」
自国の王に無礼な口を効くなと、ノトの両脇を堅める兵士が首筋に、剣を当てる。
「よせっ……」
王の、ミュジィーの側に控えるスコアが思わず、駆け寄りそうになったが、
「やめよ、お前達。これでもまだ、他国の王だ。それで?思慮が足りないとはどう言う意味だ?ただの命乞いなら、今直ぐその首、スコアに斬らせてやる」
ミュジィーが兵を止めた為、その場に留まるが、スコアに斬らせるという発言で、心臓が冷やりと震えた気がした。
「それはとっても魅力的な提案だけど、そんな事をすれば本当にこの国は終わるよ」
「ふん、世界協定云々だろう?老士達も自国の革命軍の対処で忙しいんじゃ無いか?もしお前を今殺せば、絵至上主義だった頃にあの国で甘い汁を啜っていた奴らや老士達は、自分達からまた王を決めたいと思い、革命軍は奴等にとって都合の良い王を決めたいと思うだろう。まだまだコンドラスト国内で争いは続きそうだな?だとしたらお前が殺された事を口実に攻めてくる暇も無いだろう?」
「そうかな?自国で争って消費を続けていれば、より大きな国に弱った所を叩かれる事を今、戦をしている指導者達は知っているかも知れないよ。コンドラストという国は、僕という狂った王の元で何度も他国と戦をして、勝ってきた国だからね」
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