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道中の感情が抜け落ちていた様が嘘みたいに、ノトの相変わらずヘラヘラとした笑みは崩れず、余裕さえ感じられるゆったりとした口調。目は常に底冷えし、何も伺う事が出来ない。
コンドラストは確かに何度も他国と戦をして、常勝無敗を貫いてきた国だ。
ノトはそうした国の王として、貫禄と威圧感を身に付けていた。
一朝一夕に身につけて来たものでは無い、傷付いて苦しんで、もがいて足掻いて来た様をスコアは側で見てきた。見ていて感じる苛立ちを、支えにならない己への歯痒さだと知らずに。
今のノトにはミュジィーも気を抜けば呑まれそうな程だ。
「……では、どうすれば良いというのだ?」
弟とはいえ今は他国の王で敵であるノトに答えを求める辺り、もう既に呑まれているのかも知れない。
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