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怪訝な表情をしているが、ミュジィーは黙って話の続きを促している。
「才能優先で王になるから、貴方は王としての教育を受けてないかも知れないけれど、僕はしっかり教育を受けて、歴史についても色々と学んだんだけどね、昔は何処の国が一番優れていて従うべき国かって事で、世界中で戦争していたそうだよ」
「そんな事は知っている」
「そう、じゃあ自国に従わせたい一心で戦争ばかりしていたのに、いったい何処の国が、この今の制度にしようと言い出したと思う?」
「我が愛すべきフォルティ国だ。優れた演奏家は優れた知識を持つものだ。昔からの言い伝えだろう」
「でも、普通はそんな戯言、嘲笑されて終わりだよね?」
「だから、子供の頃に習っただろう?素晴らしい演奏で皆の心を掴んで……」
「そうじゃ無いって知ってるよ。大量の、恐ろしい兵器があったからだって」
「何っ?」
「鉄の球を飛ばし、他の国を簡単に崩壊させられる程の兵器、そしてこの国特有の豊富な資源。整備して、使えるように兵を訓練すれば、まだ使えるんでしょう?」
使えば、ノト以上に大量虐殺を行った王として歴史に名を残すか、或いは消されるか。
「もう良い、黙れ」
いよいよ、青褪めたミュジィーは、それを聞いて力無く、ノトを離れの塔へ監禁するように指示を出した。
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