第5章

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「鉄格子さえ無ければ、なかなか良い部屋だよね」 食事を持って現れたスコアに、ノトはソファーにベッド、湯浴みをする所まであって、ピアノまであるよと、鉄格子越しに部屋の中を紹介する。 「なんとか、ミュジィー様に掛け合ってみるつもりだ」 「え?何を?兵器使用のこと?」 「違う、お前を俺と暮らせるように出来ないかと言う事だ」 扉の鍵を開けて食事を持って入るスコアに、不用心だよ、床の近くにちょっと開けて食事が乗ったトレーとか差し入れる窓みたいの着いてるでしょ、などとゴチャゴチャ言って、聞こえなかった事にするノトに、 「お前もそのつもりで、戻ってきたのではないのか?」 小さなテーブルの上に持っていた食事を置く。 「うわぁ、柔らかいパンに、まだ温かいスープに果物まであるじゃん。高待遇だなぁ」 「ノト」 「んー?そんな訳無いじゃん。どっちみちそんな長くないしね。手ぶらで帰してやるのもなと思ったからだよ。一応、王様からの報酬的な」 「何がだ?」 聞き返したスコアを、ノトが指差した。
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