第6章

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あの日、気付いた自分の想いとノトの台詞が忘れられないまま、日々が過ぎていった。 ノトの世話は変わらずスコアが買って出ている。 ノト様と呼べば、もう自分はノトに仕えている身では無いし、捕虜相手に様付けは変だよと言われ、昔のようにノトと、呼び捨てるようになったが、ノトの方は、スコアの名を殆ど呼ぶ事はなくなった。 フォルティ国は、戦の準備を着々と進め、今では多くの鍛え上げた兵と、沢山の使えるようになった兵器がある。 コンドラスト国は、予想よりも早い段階で革命軍が勝利した。 「革命軍が、お前を渡すように言ってきた」 「そう、それで?」 スコアが食器を下げに囚われているノトの所へ来た際に、先客としてミュジィーがいた。 2人は鉄格子越しに会話している。 「お前は、あの時応じなければ武力を行使して来ると言ったが、応じない必要は無いだろう。だから応じた」 床に座るノトを腕を組んで見下ろしながらミュジィーは告げたが、 「へぇー」 朝御飯の献立を聞いたくらいの感覚でノトが応える。 「そんなっ、お考え直し下さいっ、ミュジィー様!」 堪らずスコアが駆け寄って跪き、口を出す。
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