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「黙れ、スコア。決定を覆すつもりは無い。返事は送った。1週間もしない内に来るだろう。忌々しいが家族の責として俺が直々に引き渡してやる」
「そう」
暫しミュジィーは決定を告げてもどこ吹く風といったノトを睨み付けていたが背を向けて去る。
「何もかもどうでも良いといったようだが、お前もせめて王としての責を果たせ」
去り際に放った言葉だ。スコアは背を追いかけて、ミュジィーを説得しようと試みるが、
「くどいぞ。革命軍も奴の国民だろう。さっき言った通り、国民に対して王としての責を果たさせてやるだけだ。その後はどうなろうが、奴の選んだ事だ。俺の知った事では無い」
全く聞く耳持たず、突っぱねられた。
「それにしても、お前は随分と彼奴に肩入れしているんだな。絆されたのか?」
「私は、いえ、俺は彼に…」
ノトの何もかも全てミュジィーに捧げている人間が何を言っているのという先ほどの言葉が、胸をチクリと刺す。
「忘れるな、お前が全て捧げているのは俺だ。覆す事は死ぬまで無い」
「…勿論です」
ミュジィーにも釘を刺された。
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