第6章

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「こっちの背後からも助っ人が現れたりしないの?」 「こっち側には生い茂る木々など無いだろう」 「お二人とも、ご兄弟仲良く呑気な会話を楽しんでいる所、大変申し訳無いのですが、私の後ろに下がって下さいませんか」 ランテがミュジィーとノトに言いながら、2人を押し下げるようにして前に出る。 スコアはとっくにミュジィー達に襲い掛かる敵と対峙していた。 「ランテ、さっさと撃てっ。スコア、無理をするな」 撃てと言われたランテは構えた武器をぶっ放した。 爆音と共に筒状の先から飛び出した鉛玉が、敵を撃ち抜く。 「あ、あれはっ、銃だとぉ!今はもう無くなった武器の筈だ」 前回の大戦でフォルティ国が使っていた武器の内のひとつだ。 大量に人の命を奪う為、大戦後に世界協定の主導権を握る一国となる条件としてフォルティ国自ら開発者兼技術者に全ての責を押し付け処刑し、設計図は全て灰になったはずだ。表向きには。 だが、あるのだ。 設計図は王となった者だけが読み奏でる事を許される楽譜の中に、隠されていた。
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