第1章

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ノトはピアノの音色の良し悪しは、楽譜を見て間違わずに弾ければ良いのかなくらいの認識しか無かったから、審査員が用いる勝ち負けの基準なんてよく解らなかった。 だけど、ノトにとって兄であるミュジィーのピアノの音色よりも、スコアの奏でる音の方が好きだった。 それは、音色の良し悪しなどわからないノトが、実の兄であるミュジィーよりも、幼馴染であるスコアの方が好きだからという欲目からかも知れないが。
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