1人が本棚に入れています
本棚に追加
一人暮らしを始めると、僕はお風呂に入らずシャワーで済ませるようになった。
単純にお風呂を入れるのが面倒くさい、ということもあるが、それ以上に彼女のいないお風呂に入ってもむなしくなる。僕はお風呂避けるようになっていた。
ある日僕は弓道部の先輩たちに飲み会に誘われた。
今までは未成年であることを理由に断っていたが、その日は先輩の誘いがしつこく、強引に参加することになってしまった。
もちろんお酒を飲むようなことはしなかった。
彼女の影響だろうか。僕は自分に厳しい人間になっていた。
僕はすぐに、この飲み会に参加したことを後悔していた。
酔っ払いがこんなに面倒くさい存在なのか。僕はその日初めて知った。
なんでみんな、こんなのが楽しいのか。
ああ、そうか。みんな酔っ払いだからか。酔っ払いにとっては他の酔っ払いは楽しい存在なのか。
そして僕が何故ここに呼ばれたのか。それがようやくわかった。
飲み会が終わった後、自分の足で歩くことすらできなくなった先輩を介抱し、家に送り届ける。それが僕の役目だったのだ。
こうして先輩たちを全員送り届けた後、僕は家路についた。
最初のコメントを投稿しよう!