残念な上司は同期

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「まずはお疲れっ!」 「お疲れ」 「お疲れ様」 くぅっ、旨いっ! 全てはこの仕事終わりの一杯に繋がってるよ。 これが止められなくて最初の一杯だけはどんなに外が寒くてもキンキンに冷えたビールを頼んじゃうのよね。 あれから、他部署にいる同期も一緒になって、店の近くにある居酒屋で軽く食べて帰ろうって事になった。 「鈴木課長かぁ。お前、同期イチの出世頭だよな。」 と、そう言う藤川くんもデパートの花形、婦人服売り場で出世コースにちゃんと乗っかっている。 華やかな売り場に引けを取らない容姿。そして商才も備わっているとなれば鈴木同様、異例の人事も近いだろう。 いや、寧ろ、遅いくらいだ。 「ほら、うちには佐久ちゃんがいるからねぇ。僕一人じゃとてもやってけないよ。ねっ、佐久ちゃんこれからも頼りにしてるからねぇ。」 と、大袈裟に頭を下げる鈴木。 「あんたねぇ、上司が部下にやたらと頭を下げるんじゃないわよ。」 「えぇっ、佐久ちゃん厳しいぃ。そんな事言わずにさぁ。」 「うるさいっ!甘えんじゃないわよ。しっしっ。」 私と鈴木がこうしてぎゃあぎゃあと騒いでいるのはいつもの事だったりする。 なのにーーーー 「ところでさ、お前らってどうなってんの?」 と、突然、藤川くんが言う。 「ん?どうって?」 藤川くんの突然の言葉に首を傾げると 「どうって、お前と鈴木だよ。いっつもこうしてじゃれてるじゃん。ぶっちゃけ、付き合ってんの?」 はぁ? 私と鈴木が? 「そんな事、あるわけなーー」「そうだよ。」 はい? 鈴木くん? 寝言は寝てから言ってもらえます?
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