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「あの…さ、怒ってる?」
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あの後、直ぐに居酒屋を出た。あんな状態でまともにいられない。なんだったら手だって出るかもしれないし。
それくらい今の私は頭にきていた。
だから夜道は危ないから送ってくって言う鈴木を無視してひたすら駅へと向かう。
「佐久ちゃん……怒ってる…よね?」
「はぁ…、怒ってないように見える?」
「見えま…………せん……ねぇ。」
あー、イライラする。
「ねぇ、なんで、あんな事いうのよ。いつ、あんたと私付き合ったのよ!」
目の前でおどおどしながら話す鈴木を見ていると、益々腹が立ってきて一気に捲し立てる。
「そもそもよ、あんた私に好きだとかって言った?一度もないよね?そんな話。なのに付き合ってるとかって可笑しいよね?そう思わないの?」
「じゃ、好き、だよ…佐久ちゃん?」
「あ、の、さぁ、じゃって何よ。じゃって。まるで『じゃ、取り敢えず、ビール』みたいになってんじゃないのよ!」
「フフっ…佐久ちゃん面白い事言う、よ……ね……ご、ごめん…。」
私が今、どんな顔になっているのか目の前の鈴木を見ればわかる。
鬼の形相だ。
こうなりゃ、鬼どころか閻魔様になって目の前の身勝手な男を裁いてやろうじゃないのよ。
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