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クリシア「ウィルさん、どこに行ったんでしょう? 一番傍にいなきゃいけない人なの
に」
レノ「ほっとけ。いずれにせよ、グランギニョルから救う方法はない」
ジェシカの目が開き、赤く光る。
レノ「まずい!」
ジェシカから間合いを取るレノ、クリシア。
ジェシカ「……ウィル」
と、静かに起き上がるジェシカ。
クリシア「まだ大丈夫ですよ! 何とか助ける方法を……私の力ならもしかして!」
ジェシカに近づこうとするクリシアを制するレノ。
レノ「ダメだ。お前の力じゃ、感染者もろともグランギニョルを殺すことしかできない」
クリシア「……でも!」
ジェシカ「(発狂)!」
ジェシカの身体のあらゆる部分が展開し、コードが触手のように伸びていく。
レノ「完全に覚醒した! 一旦退くぞ!」
クリシアの手を引き、強引に表へでるレノ。
ジェシカ「(泣き叫び)……!」
28 同・ウィルの家付近~スラム街
雨が降り注ぐ中、ジェシカの声が響き渡る。
機械音でありながら、悲しみを帯びた声。
クリシア「……泣いてるの?」
ウィルの家は倒壊し、廃棄物、スクラップ部品などで身体を武装したジェシカが現
れる(タイガーグランギニョル、以下TG)。
それはトラのような姿だ。
レノ「……なんて姿だよ」
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