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レノ「わかった。悪いのはヘムダル、お前じゃない。俺があの男と話をつける」
へムダル「レノさん……ありがとうございます」
へムダルは、思わずヴァンタを抱きしめる。
8 同・カンファレンスルーム(翌日)
モニターに映し出される、ヘムダルの図面。
それを眺めているメゼルドと取り巻きたち。
そして、レノ。
レノ「システム的には何ら異常はありませんでした。業務に復帰しても差し支えないと判
断し、管制塔でその準備を進めています」
取り巻きA「何を勝手に……!」
メゼルド「(取り巻きAを制し)ほう。では原因は何だったんだ?」
レノ「それは……ここの勤務体系です」
メゼルド「何?」
レノ「ここの過酷すぎる労働環境が、彼に『心』を芽生えさせた。いわば自己防衛のため
の進化だ。いくらアンドロイドでも、キャパシティに限界がある」
メゼルド「なら、その『心』を消せばいいだろう」
レノ「……あんた、何もわかってねぇな」
何!? と立ち上がる取り巻きたち。
レノ「それじゃあ根本的な解決にならない。このままじゃ、アンドロイドの修理や代替え
をしても、同じ事は何度でも起こるぞ。ヘムダルに充分な休暇と、適切な労働時間を設
けろ」
笑うメゼルド。
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