騎馬と銃弾

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 どうやら装甲騎兵も開き直り、後方支援を絶つ戦術に切り替えたようだ。 「莫迦(ばか)め……グランバキナ製機関銃といえど、西方はミラノバで鍛えられし強化甲冑(ハーネス)が、簡単に貫けるものか!!」  (うそぶ)く装甲騎士ではあるが、実際のところ無傷というわけには行かず、何頭か馬が射倒され、勢いを(そが)がれてやむを得ず射撃に切り替えたのも事実である。だが、必殺の一撃として期待されていた新型機関銃が効かないという事実が味方騎兵隊の士気を低下させ、敵に付け入る隙を与えてしまっていた。  重擲弾筒も、油断から敵に接近され、味方を巻き込む恐れのため使用できない。  流れ弾による二次被害が発生しないのは、その装甲騎士が文字通り[壁]になったことによるものではあるが、それは幸運と云うより、皮肉と云ったほうが良いかも知れない。 「……さすがはクメーラ王国の騎士団と云ったところか……前に出すからには、それなりに自信があったと言うことか!?」 「感心している場合じゃありません!……兇賊どもが勢いづいて……!」     
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