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サクラブライが雄叫びをあげて双刃槍を振り回し、取り囲むように並ぶ三本の的に目掛けて跳び掛かる。その手の中で回転し、幾度も繰り出される切っ先は、壊れかけとはいえ、かつては鉄甲騎を鎧う外装を簡単に傷つけ、斬り裂き、砕く。
続けざまにサクラブライの槍が居並ぶ標的を、右袈裟に斬り伏せ、返す槍で突き、振り向きざまに左袈裟……時に蹴倒し、または体当て、あるいは槍を分解し、ちぐはぐな二刀を振り回してもろとも薙ぎ払う。
サクラブライは文字通り跳び回り、踵を返しながら、先ほどとは打って変わった荒々しさで次々と標的を斬り倒していく。
それこそ戦いの舞を踊るかのように、口にすることが出来なかったこれまでの苛立ちすべてを、その手にした武器に籠めているようであった。
しかしその動きは、街を、人々を守るために強敵スパルティータ相手に舞い踊った、洗練された実用美とも取れる優美な姿とはほど遠い物であった。
そも、実の所それは舞と呼ぶにはあまりにも無様で、狂悖暴戻に暴れ回っているだけとも取れた。
その光景を、先程まで言い争っていたシディカ、そしてドルージは、機関士とともに茫然と眺めていた。
だが……と、言うよりそれは当然ながら、武技を心得るものから見れば、とても良い印象は抱けない物であった。
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