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声を出して自らの目的を再確認した少年は、もう一度冷水で顔を洗い直す。
我に返り、状況を思い出して、先輩達の後を追って駆け出す少年を、鎧下を着用した、騎士風の男が見送る。歳は二十代中頃から後半くらいだろうか。
「イバン大隊長、おはようございます」
「おう、遅れているぞ、急げ、ナラン」
「すいません!」
そう言って少年は、大急ぎで先輩達の後を追った。
少年の名はナラン。
この日、運命的な出会いを歴て、遠い将来、歴史にその名を残すことになる人物の、少年時代の姿である。
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