騎馬と銃弾

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 敵の騎兵が一気に駆け抜けてくることを想定しきれなかった兇賊は慌てふためき、体勢を崩す。それを見た騎兵隊長は、続けて命令を下す。 「敵は(ひる)んだ!……散開して各個に発砲、敵を突き崩せ!!」  その様子を凱甲騎の受像器から見ていたドルトフがすかさず下知を出す。 「こちらも、支援火器を出すのである!」  命令を受けた兇賊が車輪付の台座に固定された、四挺の多砲身式(ガトリング)機関銃を押し出して来た。 「喰らいやがれ!」  兇賊が騎兵隊に照準を定め、機関銃のハンドルを回そうとしたとき、目の前が不意に爆発した。何かが飛来したかと思った瞬間に爆発を起こしたのだ。  その爆発で、機関銃の内一挺が破壊されてしまう。 「投擲爆弾にしちゃ、威力がありすぎる!?」 「違う、後方からだ!……こんなに射程がある、小型の擲弾筒があるのか!?」  騎兵隊側の重擲弾筒による支援攻撃が効果を上げ、敵の機関銃を封じ込めたのだ。  そんな中でも兇賊が銃を構え、騎兵に向けて発砲するが、絶えず移動を繰り返す騎兵の動きに翻弄され、希に命中しても、旧式銃しか持たない兇賊では、騎兵や騎馬の錬成強化された甲冑を貫通することは出来ず、被害を増やすばかりである。     
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