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何がいけなかったのか……
どこから間違えたのか……
これまで散々煮え湯を飲まされたウーゴ砦に対する逆襲の戦いは、結局、敗北に終わった。
敵の戦力不足に付け込むべく、反乱を起こした挙句に鎮圧された大臣側の将軍リチャルド・ドルトフ逃亡の情報を得て、それを味方に取り込み、その残存戦力と、自身の必勝を期した策略の切り札〈鉄甲騎ヘオズズ〉の投入、決死の潜入による破壊工作……加えて、将軍の奥の手である[ダーマスル駐在官の籠絡]により、確実な勝利を掴み取る筈だった……
そしてその後の更なる行動まで考えていたというのに……
思い返せば、連絡役の翼人であるグルズが行方不明になったときから、すべては狂ってしまったのかもしれない。
あるいは、全軍集結が遅れたためであろうか。
そも、岩山さえ乗り越えるヘオズズが、奇襲に失敗するわけがない。
土壇場で仕掛けた破壊工作も、十分に効果は上げた。
ドルトフはその爆発に乗じて一気に攻め寄せた。
奴の乗る鉄(凱)甲騎は乗り手に見合わず強かった。
これで決まりの筈だった。
その時……[サクラブライ]とやらが現れた……
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