1人が本棚に入れています
本棚に追加
やいのやいのと口論は続く。話を逸らすというのは成功したようだ。
『 そう言う東夜はどうすんの?』
話がこっちに振られた。
「そうだな…俺はやっぱ飯だな!普段は奴らには食わせる立場だが、俺だってたまには腹いっぱい食いたいからな!」
がはははと笑う。釣られて2人も笑い出した。
『 もう…東夜はいっつもそれねー。もっとオシャレとか気を使ったらー?』
「そんな食えないもんに金を使ってる暇があるか!」
『 東夜は趣味らしい趣味もないからね。強いて言うなら筋トレだっけ?髭面ゴリラと言われるのも仕方ないよ。』
「うるせぇ!」
また3人の笑い声が響いた。しかしその1つは東夜ものでは無かった。
『 ふふふ。あ…コホン。お話中すみません。そろそろ作戦開始時間です。各自準備をお願いします。』
彼らの表情が変わった。
「ミート2準備良し。」
『 ベジタブル2準備良し。』
『 フィッシュ2準備良し。』
「ミート2からキッチンへ。こっちは準備完了。いつでも出せるぜ!」
先程までの和やかな雰囲気はもうない。彼らはもう戦士となった。死地へ赴き、敵に最後の晩餐を与える戦士に。
『 キッチン了解。…ベルに反応!ゲストが来店します!各機は直ちに接客してください!』
急に慌ただしくなる。
「了解!第2フーディスト小隊、出撃する!」
後部ハッチが開き、順々に投下される。
『 ご武運を。』
「ありがとよ!」
空中に放り出されたウェイター各機は各々の飛行ユニットを展開し、加速を始める。ゲストは基本飛行するため、ウェイターもそれに対応できるようになっている。
『 入店音確認!』
「よし!盛大にもてなしてやれ!…と言いたいが、今回は長期戦だ。ベジタブル2とフィッシュ2はあまり戦闘に参加せず、目標物へたどり着くのみ考えろ。」
フーディストのコードネームである、『 ミート』『 ベジタブル』、『 フィッシュ』というのは飾りではない。その機体が特化している栄養素と、戦い方を示しているのだ。
最初のコメントを投稿しよう!