フーディスト出撃

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━━━西暦2065年。人類は同種族以外の脅威に晒されていた。 それらはある日空からやってきた。世界中のどの衛生にも探知されず、突然やってきた。 それらは世界各地を襲った。侵略でも虐殺でもなく、ただ現れてはただ暴れた。 それらに人類の兵器は通用しなかった。銃や爆弾、毒ガスに生物兵器。果ては核もやつらには全くの無力であった。 『 キッチンからウェイター各機へ。ゲストはあと三分後に着席する。応対の用意をせよ。』 「ミート2了解。」『 ベジタブル2了解。』『 フィッシュ2了解。』 しかしそれらにも弱点が存在した。敗戦を重ね、人類の総人口の4割を失ってから気づいた弱点。それは人類が摂取できる食物の栄養素であった。 「入店音!来るぞ!」 『 盛大にもてなしてやろうじゃん!』 それらが食物の栄養素を体に吸収すると、拒絶反応の様なものが起き、それらの体が崩壊する。まるで砂の城が暴風に晒されたかのように崩れ去るのだ。 『 うわぁ…いつ見てもきんもぉ…。』 『 見た目はSF映画に出てくるような化け物だからね。無理もないよ。』 それらはとても大きかった。1番小さい個体でも10メートルを越え、大きい個体ならば100メートル近いものもいた。皮膚は固く、牙は大きく、口からはレーザーを吐く。従来の兵器を改造した程度ではそれらに触れることすらままならなかった。 『 小型16、中型が4。大型は…いないね。偵察部隊のようだね。』 「それでも3機しかいない俺達からすれば団体さんには違いねぇ。油断すんなよ!」 それらに対抗するために人類は今までにない兵器を開発した。特定の栄養素に特化した人型兵器。食物を武器とし、それらに食べさせるという未だかつて聞いた事のない兵器。人類はその兵器を料理を運ぶ様な光景から『 ウェイター』と名称した。 『中型撃破!あったしやるぅ!』 『まだ客は残ってるよ。捌ききらないと2発目がくるかもよ。』 『はいはーい。ま、あとは雑魚退治でいいでしょ。だって…。』 「よっしゃぁ!!これで3体目ぇ!!」 『ほらね。』 『だね。』 それらを人類はこう呼んだ、『ゲスト』。地球にわざわざ嫌いなものを食べに来たという皮肉を込めてそれらをそう呼称した。そしてウェイターに乗り、ゲストと戦う戦士を『フーディスト』と言う。
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