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「こちらミート2。各機準備はいいか?」
翌日早朝。3人は格納庫でウェイターに乗っていた。
『 ベジタブル2OK!』
『 フィッシュ2問題なし。』
2人から返答が返ってくる。
「そんじゃ移動するぞ。」
ウェイターは人型兵器であるため、歩行することができた。なので3人は用意されたウェイター用輸送機まで積まれに行った。
『 毎回思うんだけど、こうクレーンとかで積めないのかな?ぶっちゃけ自分で移動するのって、めんどくさいんですけど。』
『 従来の兵器と互換性がないというのもあるけど、1番はそれを作る余裕がないってことなんだろうね。もはや人類に人手が足りるってことは、早々無いだろうしさ。これに関しても歩けるんだからクレーンなんて無駄だ。いらないだろってことなんだと思うよ。』
ウェイターが近年開発されたばかりというのもある。配備数が未だそれほど多くないため、現在の世界中の工場ではウェイターを作ることが優先である。それ以外の物は二の次となってしまうのだ。そのため今回のこの輸送機もかなり貴重な物であると言えるだろう。
「文句を言ってないで早く積み込め。俺が入れないだろう。」
出撃の際ミート、フィッシュ、ベジタブルの順番で射出されるため、積み込む際には逆の順番で入れる必要があった。2人が無駄話に興じてしまったため、少々詰まってしまったのである。
「これでよしっと。2人とも固定アームはしっかりとロックされてるな?」
『 問題なーし。』
『 こっちも問題なし。』
『 皆さんお疲れ様でした。』
搬入が完了した所で輸送機から通信が入る。それは今回同行してくれる春絵からであった。
『 離陸準備に入りますので、皆さんコックピットまでお越しください。』
機内のほとんどスペースをウェイターのために使用しているため、搭乗者の席は全てコックピット付近にあった。
「あいよー。…そうだ春絵ちゃん!」
東夜は思いだしたかのように1つ訊ねた。
「萌花の奴、昨日はちゃんと誰にもあのことを喋らなかったよな?」
あの後、たまたま近くを通りかかった春絵がこの顛末を聞かされ、半ば強引に萌花のお目付け役をやらされたのであった。無論東夜に。
『 はい大丈夫です。あれからずっと一緒にいたので、萌花さんが誰にも話してないことは確認済みです。』
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