『夢想探偵』

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『夢想探偵』

 私は、作家という立場でありながら様々な事件に関わってきた。  というのもこれは、大学時代の後輩に刑事がいる事と友人に『探偵』がいる事によるものである。  その後輩、関戸隆太(せきどりゅうた)は難事件があると私のもとに相談に来、そしてそれを私が『探偵』のもとへ相談しに行くのである。いわば、仲介役である。  関戸が直接『探偵』に相談しに行けばいいじゃないか、と思われるかもしれないが、その『探偵』がかなりの曲者で、関戸は一対一で会うのは願い下げらしく、ただ『探偵』の頭脳は信用できるものがあるので相談はしたい、とのことで私が間に入るのである。  そんなわけで私は様々な事件に関わってき、そしてその度『探偵』が事件を解決するのを見てきたわけであるが、今度の事件は過去のどんな事件よりも奇怪で狂逸している。    
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