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軍に所属はしているが地位は低く、そのため武器も装備も人材も寄せ集めである。きつい軍務に絶えられない老兵や身体が不自由で他に働き口のない者、犯罪者などが配属されてくるのが常だ。
『イービル』駆除命令を受けたセロが、小隊を預かったのが二日前。
シンの存在はすぐに目を引き、セロに警戒心を起こさせた。
髪は絹のような光沢のある白髪で、瞳は色素の薄い灰色。肌は血管が透けて見えるほど白かったが血色は良く、不健康そうな様子はない。
身体的欠陥がないとすれば、重大な犯罪を犯してきた可能性があった。
薬物、凶悪犯罪、精神異常などの前科があると、三日間とはいえ問題なく任務を遂行するのが難しくなる。
しかしセロには、前任務以外の隊員情報が一切与えられていなかった。
隊員のプロフィールを知れば、別の意味で任務遂行の足枷となりうるからだ。
目的地までは、残り二十キロはあるだろう。セロとしては一時間でも早く任務を終わらせたいのだが、ルート上の障害物を取り除いたり、大きく回避する事を考えると予定通りに到着できるかどうか。
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